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相撲:横綱大の里は順調な仕上がり 二所連合稽古、大関琴桜と15番

11/8/2025

九州場所開幕を目前に控えた9月2日、二所ノ関一門による合同稽古が福岡市東区の佐渡ケ嶽部屋で盛大に行われた。稽古の主役には、2場所連続優勝を目指す横綱・大の里が掲げられ、その圧倒的な気迫が場を支配した。

大の里は大関・琴桜との15番連続取組で12勝3敗という高い勝率を残し、調整の順調さを顕著に示した。彼自身は「年間4度目の優勝に向けて全力を尽くしたい」と語り、その取り組みは立ち合いでの剛速球に加え、左手の巧みな使い方であるおっつけや巻き替えで柔軟な相撲を展開した。

10月中旬にロンドンでの公演を終えてから福岡入りした大の里は、鋭いスピード感をもって調整を推進してきたが、「スタミナ面で若干の不安を感じている。九州場所初日となる3日以降に向けてさらにギアを上げて調整を深めていく必要がある」と自身で冷静に課題を分析。完成度を一層高める意欲を見せた。

過去5度の優勝の中で地方開催で勝ち取ったのは大阪春場所のみと、地方への苦手意識を抱える大の里。特に昨年の九州場所では9勝6敗と期待を下回り、今回の舞台でその課題克服を誓った。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)も「ロンドン遠征を経て身体を張ってきたことで調子は上向きだ。さらに精密な仕上げを施せば、良い初日となるだろう」と評している。

一方、チームの要である小結・高安は今回の合同稽古を欠席しており、その動向にも注目が集まる。九州場所はいよいよ間近。連日熱戦が予想されるなか、大の里の挑戦が新たな歴史に刻まれるか、期待が高まっている。